PG-EPOCとCC-EPOCの大きな違いは、臨床研修(PG-EPOC)と臨床実習(CC-EPOC)の実施形態の下記のような違いに対応しています。

1. １つ研修プログラム（臨床研修）　V.S.　学年と対応した複数の臨床実習カリキュラム（臨床実習）
   

   臨床研修(PG-EPOC)では、卒業直後に同じ世代が研修を開始します。 各研修プログラムは、「2020年度研修開始研修医」 、「2021年度研修開始研修医」のような形で管理されます。研修プログラムによっては、内科重点型、外科重点型等のコースを設けていますが、PG-EPOCではコース区別を明示的には記録してはいません。ただし、各研修医がローテートする診療科・病棟を人間が参照することでどのコースに該当するか判断できます。
   
   臨床実習(CC-EPOC)では、５年次に見学型主体の臨床実習、６年次に参加型主体の臨床実習等、学年毎の知識や技能の高さに対応して、別々のやり方の臨床実習を行うことが通常です。このため、1大学で複数の臨床実習カリキュラムが必要となります。例えば、「2017年度入学学生医」に対して、2021年度は、「臨床実習I（見学型主体）」、2022年度は、「臨床実習II（参加型主体）」というように、同一の学生医の集団が学年によって、異なる臨床実習カリキュラムを履修することが通常になります。
   
   

2. 個人単位（臨床研修）　V.S.　　班単位（臨床実習）
   臨床研修(PG-EPOC)では、研修医が個人毎に診療科・病棟を回ります。
   
   臨床実習(CC-EPOC)では、全面的な参加型の臨床実習を行っている場合を除ければ、班単位で診療科等を回ることが一般的です。このため、個人単位の臨床実習の他に、CC-EPOCはこのような班単位の臨床実習に対応しています。CC-EPOCにおける学生医の診療科等ローテ―ト情報は、PG-EPOCと同様に学生医個人単位で設定されます。同じ班に属する学生医は同じ診療科等ローテ―ト情報を持ちます。1学年の学生医に個別に班毎に違う診療科等ローテ―ト情報を設定するのは面倒です。このため、各班のローテ―ト情報に対応するテンプレート（テンプレートの名称を班の名前（A班、第1班等）に対応させることを想定しています）を班の数だけ作成して、各学生医に割当てる方法を採用しています。尚、割当後には、個別の学生医毎にローテ―ト情報を変更することが可能であり、中途での班の学生医の入れ替え、削除等にも対応できます。
   
   
3. 参加型（臨床研修）　V.S.　見学型＋参加型（臨床実習）
   臨床研修(PG-EPOC)で経験する症例・症候はすべて参加型で経験します。
   
   臨床実習では、症例・症候は、見学型で経験する場合と参加型で経験する場合があり、CC-EPOCは見学型と参加型の経験を区別できるように作られています。臨床実習の型には、「見学型」、「参加型」の他、「混合型」、「その他」が指定可能です。臨床実習の型は、各臨床実習カリキュラムの中の各診療科等毎に、別々の型を割当てることができます。例えば、臨床実習IIに「参加型」を指定すると各診療科等の型のデフォルトは「参加型」になりますが、個別の診療科（例えば、小児科）を「見学型」に指定しなおすことが可能です。
   
   
4. 留年・降年なし（臨床研修）　V.S.　留年・降年あり（臨床実習）
   PG-EPOCでは、研修医は研修開始年度で作るグループ （例えば2020年度研修開始グループ）に属する形をとります。休職しても、修了認定が受けられなくても、同じグループに所属したまま、臨床研修を延長する形になります。
   
   CC-EPOCでは、医学部の学年でクラスというグループを作ります。臨床実習の班は同じクラスの学生医から作られます。このため、留年、降年、休学すると別の学年のクラスに所属を変更することになります。留年、降年、休学等による本来の学年から下の学年への移動については、2022年度末までに実装予定です。